Google Cloud Next '26 セッションいろいろ その3【イベントレポート】
こんにちは。サービス開発部の須澤です。
今回、ラスベガスで開催される Google Cloud Next '26 に参加するため、ラスベガスまでやってきました。
https://www.googlecloudevents.com/next-vegas
本記事では、私が参加したセッションについていくつか共有したいと思います。
Google Cloud Next '26 のイベントレポートは一旦これで最後です。ぜひリアルで体験してもらいたいイベントでした。

関連記事はこちらです。
Google Cloud Next '26 イベントに参加するまで【イベントレポート】
Google Cloud Next '26 セッションいろいろ その1【イベントレポート】
Google Cloud Next '26 セッションいろいろ その2【イベントレポート】
サイバー攻撃はAIで「秒速」になった——防御側はどう戦うか
攻撃者が脆弱性を発見してから、ランサムウェア攻撃をするまでの実行時間が、これまでの8時間からわずか22秒に短縮されているそうです。
攻撃の世界は今、AIによって別次元のスピードに突入しています。
攻撃はパッチより速い
ゼロデイ脆弱性の悪用は、パッチ発表の7日前からすでに始まっています。つまり「パッチが出たら当てる」という従来の対応では、もう間に合いません。防御側にもAIによるスピードが求められる理由がここにあります。
日本語のフィッシングメールも高度化が進んでいます。AIを使った文章生成により、かつての「いかにも怪しい日本語」は過去の話で、自然な文体で巧みに誘導するメールが増え、被害も拡大しています。
防御チームの現実
一方で防御側は、システムの制約や予算の問題から人的リソースへの投資に限界があります。
役割を分けて、攻撃が起きたら動くチーム、脅威を分析するチーム、攻撃の流れを追って次の手を読むアナリスト。それぞれが連携して、検知から対応までを回していく形にしないといけません。
Allianzの事例:3,000人のセキュリティチームがAIで変わる
55拠点・従業員15万人を抱えるグローバル金融企業Allianzは、3,000人規模のセキュリティチームを持ちながら、AIと自動化を積極的に取り入れています。
注目すべきは、自動化の目的が「人員削減」ではない点です。繰り返し作業を自動化することで、人間が本当に判断すべき重要なアクションに集中できる環境を作ることが狙いです。これまで数週間かかっていたセキュリティアセスメントを数時間に短縮するなど、具体的な成果も出ています。
攻撃と防御、AIの使い方で差がつく時代
攻撃者はすでにAIをフル活用しています。防御側がAIを使わない理由はありません。スピード・精度・自動化、この3つを防御側がどこまで取り込めるかが、これからのセキュリティの分かれ目になりそうです。
ブランド刷新:「Gemini Enterprise」への統合
Google CloudのAIポートフォリオが大きく再編されました。
旧名称 | 新名称 |
|---|---|
Gemini Enterprise | Gemini Enterprise App(従業員向けアプリ) |
Vertex AI | Gemini Enterprise Agent Platform(開発者向けプラットフォーム) |
Customer Engagement Suite | Gemini Enterprise for Customer Experience |
「Gemini Enterprise」という統合ブランドのもとに3つのプロダクトが整理された形です。エージェント時代を全社規模で支えるための布陣として再整理された意図を感じました。
Gemini Enterprise Agent Platform の全体像
旧Vertex AIにあたる Gemini Enterprise Agent Platform は、以下の4レイヤーで構成されています。
Build(構築) Agent Development Kit(New)、Agent Studio、Agent Gardenなどの開発ツール群。Gemini API / Model GardenではGeminiモデルだけでなくサードパーティ・オープンモデルも利用可能。ツールとしてA2A、MCP、Grounding、RAG、Searchなどが揃っています。
Scale(スケール) Agent Runtime、Agent Sessions、Agent Sandbox、Agent Memory Bankがいずれも一般提供開始(GA)。
Govern(ガバナンス) Agent Gateway、Agent Identity、Agent Registry(New)、Agent Anomaly Detectionなど。Model Armor、Agent Policy、Agent Security(New)、Agent Complianceも揃っています。
Optimize(最適化) Agent Evaluation(New)、Agent Simulation(New)、Agent Observability(New)、Agent Optimizer。
気になったのは Agent Identity や Agent Anomaly Detection、Agent Observability です。誰にどの権限を付与するかといった細かいアクセス制御を設定できるのがポイントで、セキュアに繋がり、何が起きているか見えることと異常を検知できることは今後必須ですね。
Agent-to-User Interface(A2UI)
チャット以上のUI体験を提供するプロトコルです。ドロップダウン、入力フォーム、日付ピッカーなどのカスタムUIウィジェットをチャット画面に表示できます。グラフ描画コンポーネントによる動的表現も可能。
スキル(Skills)
「プロンプトとエージェントの中間」に位置する機能。反復的なプロンプト入力を省略し、特定のタスクを標準的・一貫した方法で実行させるものです。コアのシステムプロンプトを複雑にすることなく、必要なときだけ専門的な指示セットを呼び出せる設計で、チーム・組織全体で共有して使えるようです。車輪の再発明をすることなく、共有して使えるというのは良いですね。
データプロダクトの名称刷新
データプロダクトも名称が整理されました。
従来名 | 新名称 |
|---|---|
BigLake | Lakehouse |
Dataplex | Knowledge Catalog |
Dataproc | Managed Service for Apache Spark |
Composer | Managed Service for Apache Airflow |
Looker Studio | Data Studio |
Spanner Queues
Cloud Spannerにキュー機能が追加されました。ユーザーリクエストから負荷の高い処理を非同期で分離でき、データ更新と同トランザクション内でタスクをキューに追加できます。Spannerのトランザクション保証をそのままキューに活用できるのは強いですね。
おまけ
EXPOの一部にはこんな癒しの空間(実際に抱っこできる)も広がっていました。

さいごに
「旅のしおり」の作成やレセプションパーティをご企画いただいたGoogle 日本チームの皆さまに、心よりお礼申し上げます。安心して参加することができました。多数のセッションが同時進行する中、最終日に必要な情報をまとめていただき、大変ありがたかったです。また、日本のエンジニアの方々とも繋がることができました。




