社内にゼロベースからプロダクトマネジメントをインストールする話

おはようございます。
サービス開発部の小川です。

2021年まではエンジニアリングマネージャーを務めていましたが
現在はプリ小説でプロダクトマネージャーをやっております。

今回は、社内にゼロベースからプロダクトマネジメントを浸透させたい人に向けて
私たちが行っているプロダクトマネジメントの社内浸透のための施策の一つを紹介させていただきます。

背景

GMOメディアはメーカーであり、ユーザのニーズとビジネスを紐付けてサービスを作り続けなければなりません。
サービスを作るためには幅広い知識が必要で日々の勉強、成長が不可欠です。
しかしながら日々の業務に追われたり、ステークホルダーの調整役で終わってしまうなど、なかなか思うように出来ません。

また、私たちのサービスはfreeml、プリ画像といった過去にうまく行ったサービスはありますが持続的な成長を描けなかったり、事業成長に再現性を持たせられず追随できるサービスが生まれていませんでした。

そんな中、再現性を持ってプロダクトを成長させていくべく、プロダクトマネジメントを学ぶ第一歩として発足した勉強会を紹介させていただきます。

目的

プロダクトマネージャーはプロダクトネットワークの全ての領域を健全に機能させることに責任を持っている。
健全に機能させるために必要な知識を蓄え適切に判断・決断し続けられる人材を素立てる。

この第一歩目の施策としてプロダクトマネジメントに興味を持って、各領域の知識のインデックスが出来ている状態にすることを目的としています。

プロダクトネットワークについては以下に詳しく書いてあるので見てください。
【翻訳】プロダクトマネジメントトライアングル

やったこと

  • 各チームの上長と個人にヒアリングし興味を持ってくれるメンバーの選出
    • 月に2冊も読むことになるので、上長の理解やメンバーのモチベーションが非常に重要になるので参加者選びは慎重に行いました
  • 11冊の課題図書を月に2冊のペースで各自で読み進め週に1度の読書会
    • ファシリテーターを用意し、読書会で活発に議論できるように働きかけてもらいました
    • 各書籍ごとに各現場で活躍している責任者やマネージャーの方に参加していただき、議論を深めてもらいました
  • 最後に課題図書から1冊選んで10分程度にまとめて発表
    • お気に入りの本を選ぶメンバーや逆に理解が難しかった本を選んでもう一度振り返るメンバーも居たり色んな角度で深堀りができました
  • みんなで集まって卒業授与式
    • ここが結構好評で節目になって良かったと参加したメンバーからもフィードバックが貰えました!

書籍の紹介

書籍概要
ゼロから始めるプロダクトマネジメントたかし君とお兄さんがストーリー形式で具体的にプロダクトマネジメントを行っていく。プロダクトマネジメントに興味を持てるかはこの本を読んでから判断しても良いかも知れない。
「数字」が読めると本当に儲かるんですか?固定費、変動費などの基礎的な内容をストーリー形式で会計について教えてくれる。
最高の結果を出すKPIマネジメントリクルートで教えられてるKPI講座。ダメダメKPIとイケてるKPIの比較からKPI設定の方法がわかる。
コミュニティマネジメントの教科書チームビルディングや巻き込み方などの参考に
エンジニアリング組織論への招待エンジニアリングとは不確実性の高い状態から、低い状態に効率よく移すその過程で行う全て。不確実性を取り除く具体的な方法や発生する要因などを解説してくれる
ハーバード流交渉術社外との折衝は勿論、社内のステークホルダーとのコミュニケーションにも活かせる
デザイン思考が世界を変える人々が自分でさえ気づいてない内なるニーズを見つけるためにはどうすれば良いのかを考える本
デジタルマーケティングの定石やりがちなダメな施策例を毒舌に言い切りでどんどん紹介してくれる本
実践 顧客起点マーケティングユーザリサーチの大切さを教えてくれる
良い戦略悪い戦略良い戦略と悪い戦略の特徴を教えてくれる
ビジネスモデル・ナビゲーター55種類のビジネスモデルが紹介されている。自分の事業のビジネスモデルの理解やマネタイズする際の参考に

苦労した点

読書時間の確保

自分自身最初は本を読むのに慣れておらず、なかなか時間の確保ができずとても苦労していました。
最高の結果を出すKPIマネジメントに書いてある「読書のためのKPI」を読んでから自分が読めるスピード、本のページ数、集中力の持つ時間から逆算し、いつどれくらい読むかを計画して習慣づけるところから始めて解決できました。
今では、深く考えずに定期的に月に1冊程度はインプットができています:D

議論の活性化

本の感想を言い合って議論が行われず、ふーんとなってしまっていました。
これもまた本の紹介になってしまうのですが、「良い質問」をする技術を読んで解決できました。
質問には答えたくなる、気付きがある軸で大きく4つに分けられ、気付きが出るように良い質問や重い質問を投げかけるようにしました。
ただ、重い質問は関係値がないとただの嫌なヤツになってしまうリスクが有るため軽い質問などを利用しアイスブレイクを交えつつ、できるだけ良い質問を多く投げかけるように意識しました:D

4questions

成果

卒業生

全4回に分けて合計17名のメンバーがプロダクトマネジメントについて学んでくれました!!
従業員数が150名ほどなので、約10%の人が学んだ計算になります!!!

人数
0期2名
1期4名
2期5名
3期6名
累計17名

参加者分布

職種についても幅広いメンバーが参加してくれていて
年齢層も、新卒2年目から社歴10年目以上の方まで幅広く参加してくれました!

参加したメンバーの声抜粋

  • 本に苦手意識を持っていて今まで読んでこなかったが、みんなと読むことで克服出来て読書習慣が付いた。
  • 普段から本は読んでいたが、どうしても好みで読むので偏っていたが広く読めることができた。
  • ただ読むだけでなく、人に説明することで言語化できるようになった。
  • チームメンバーが多く受講していたので共通言語ができてスムースに仕事が進むようになった。
  • 他媒体の話が聞けて参考にできた。

一番多かったのは読書習慣が付いたことでした。
勉強した方が良いとは思いながら何から手を付けて良いのか分からなかっただけで、きっかけさえ掴めば自走出来るようでした。

参加したメンバーの上長声抜粋

  • システム、デザインなどの専門領域は任せられるが、ビジネス視点が弱かった部分が俯瞰して考えられるようになった。
  • 自分の役割はこれなので。と言ったセクショナリズムがなくなり、越境してその状況でもなにができるか考えられるようになった。

期待していた各領域でノリの役割を果たす効果が上長からも無事評価されてよかったです。

振り返り

約10%のメンバーにプロダクトマネジメントを学んでもらいましたが
学んでもらってどうなったか。がふわっとしてしまっています。

為になった。勉強になった。成長した。など定性的には満足してもらえていますが
会社としてプロダクトとしてどんな価値を出せたかは評価しづらい部分があります。

このベーシックの取組はあくまでも入り口として捉え
今後は複数プロダクトを持っている会社の強みとして、各プロダクト同士の横のつながりを活かし
プロダクトマネージャー同士のノウハウ共有の場を創っていきます。

最後に

GMOメディアではプロダクト指向のエンジニアを絶賛募集中です。
エンジニアが企画から実装まで、一気通貫にプロダクトに関わりスピーディーにプロダクトをアップデートしていく体制を目指しているので、興味のある方はぜひご応募ください!

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