【初めてでも安心!】オンラインユーザーインタビューの準備から実施までをまとめてみた
はじめに
こんにちは!横断組織サービスデザイン部のグループミッション(通称:「ぐるみ」)として活動する、「UX改善チーム」です。
今回は、ユーザーインタビューを実施してみて得たノウハウを紹介したいと思います!
現在の新型コロナ感染状況も踏まえて、私たちはzoomを利用した、オンラインユーザーインタビューに取り組みました。
ユーザーインタビューとは、実際にサービスを利用しているユーザーや、ペルソナをふまえたターゲットユーザーなどに向けてサービスのインタビューを行い、今後のサービス向上に活用していくものです。
実施の背景
BtoCサービスを中心にサービスを運営していることもあり、サービスごとにユーザーインタビューを実施したことは過去にあったのですが、
- インタビューのノウハウが不足しているため、ユーザーインタビューを行ったことがないチームにとって実施までのハードルが高い
- ノウハウが少なく準備に時間がかかるため、なかなか取り組めない
という課題がありました。
そこで今回UX改善チームでは、
- ユーザーインタビューの実施に必要なフローやTODOをまとめ、パッケージ化することで、未経験でもユーザーインタビューを実施できるようにする
- パッケージ化することでインタビュー実施のコストを下げ、定期的に取り組むための足掛かりにする。
これらを目的として、実際にユーザーインタビューを実施することで、準備から実施までの仕組み作りに取り組みました。
インタビュー実施までの流れ
- 実施計画
- インタビュイー募集
- インタビュイー採用
- インタビュー前準備
- インタビュー実施
実施計画
インタビューの目的を明文化する
インタビューの目的を明文化しましょう。はじめに目的を決めておくことで、インタビュー時に質問する内容やその優先順位が決めやすくなります。
スケジュールを立てる
インタビュー実施までに必要な行動を洗い出し、実施の日程から逆算してガントチャートを作成しましょう。
インタビュイーを募集する
ユーザーインタビューで最も大事な、インタビューの対象ユーザーをここから決めていきましょう。
採用条件を決める
インタビューの目的を達成できるような、対象ユーザーのセグメント(年齢、性別、地域、サービス利用方法など)を考えましょう。
募集方法を決める
予めセグメントを絞って募集をかけたい場合にはユーザーに個別に連絡ができる「メール」、より多くの人に募集をかけ応募者の中から採用したい場合には「サイト内掲載」など、採用条件やサービスの特徴(ユーザー数や連絡可能環境など)に応じて募集方法を決めましょう。
募集を開始する
多くの人に募集をかけ応募者の中から採用したい場合など、採用条件にあうユーザーを選定する場合には、Google Formなどの応募フォームを利用してアンケートを設定しましょう。
決めた採用条件を判断できる質問を設置します。
(例)
質問 | 選択肢 |
---|---|
年齢 | 13歳以下 / 14〜17歳 / 18〜19歳 / 20〜25歳 / 26〜30歳 / 31歳以上 |
性別 | 男性 / 女性 / その他 |
希望インタビュー日時 | インタビュー日を複数日候補に上げている場合はアンケートでユーザーの都合の良い日時を質問しましょう |
また、募集をする際には、インタビューの目的や、当日の形式、所要時間、謝礼、その他注意事項についてなど、事前に共有しておくべき内容を説明することも大切です。
(例)
- インタビュー形式について
- zoomを利用して行うオンラインインタビューであること・ビデオのON/OFF・録画の有無についてなど記載
- ユーザーインタビュー内容について
- どういった質問をするか記載
- インタビュー内容の取り扱いについて
- インタビューで聞いたこと・録画などの使用範囲を記載
- インタビュー実施日時および所要時間について
- インタビューの所要時間を記載
- 採用連絡について
- どのような方法で採用連絡をするか・採用連絡の時期を記載
- 謝礼について
- 謝礼を用意する場合、謝礼の種類と金額を記載
インタビュイーを採用する
応募者が集まったらより採用条件に会うユーザーを選定し、採用連絡を行いましょう。
この時、インタビューの目的をもう一度確認して、優先順位の高いユーザーを判断しましょう。
採用したいユーザーが決定したら、採用連絡をします。
その際、インタビュー当日の流れや注意事項などを伝えてあげると親切です。
(例)
- インタビュー日時
- zoomアプリのインストールのお願い
- インタビュー当日までの流れ
- 注意事項(採用に対して返信期日など)
- 質問返信先(お問い合わせページなど)
また、連絡をせずに辞退される方もいる可能性があるため、〇〇日以内に返信がない場合には見送らせていただく、などと記載しておきましょう。そうすることで、補欠のユーザーに連絡をとるなどして、当日までに人数を調整することができます。
インタビュー前準備
当日のタイムスケジュールを作成する
インタビュー開始からユーザーの会議退出までの流れを、大まかに決めておきます。
このとき、以下のことを意識することで、本番のインタビューをスムーズに進行することができると思います。
- 各フェーズでの所要時間をある程度決めておく
- 話す内容をメモしておく(特に注意事項などは、伝え忘れがないようにしましょう)
タイムスケジュールの例
質問リストを作成する
インタビューでユーザーに質問をする項目を決めます。聞きたい内容が多かったり、異なる視点での質問に分かれる場合には、フェーズを切って進めると良いでしょう。
例えば、
- ユーザーの特性を知るための質問
- 質問に対する答えに加えて、できるだけ理由も尋ねます。
- 普段のサービスの使い方に関する質問
- いつ、どこで、どのように、など5W1Hに基づいて質問していくと、より深掘りがしやすいでしょう。
- 運営側が注目している特定の課題に関する質問
- 事前に仮説を立て、それに対する質問をします。
- その他、サービスへのご意見など
- サービスに関して改善して欲しい箇所や、今後欲しい機能などがあれば自由にお話してもらいましょう。
リハーサルを実施する
ユーザーインタビュー本番をスムーズに進行するために、当日の参加者同士で一連の流れを確認します。ユーザー役を1名決め、実際にユーザーがいる想定で進めることで、確認すべきことにより気付きやすくなります。
ツールの環境設定や質問の順序などを中心に、不安なことを確認して当日までに解消しておきましょう。
インタビュー実施
いよいよ、インタビュー当日です!
本番前に、余裕を持って準備を行い、環境を整えておきましょう。
当日に気をつけたいこと
インタビュー前
- 当日のリマインドとして、改めてユーザーへの事前連絡をしておきましょう。
- インタビュー日時
- zoomなどweb会議のURL
- 緊急連絡先
インタビュー開始
- web会議に早めに入室する方もいるため、10分前には入室して待機しておきましょう。
- アイスブレイクはとても重要です!ユーザーさんも緊張しているので、インタビューを始める前に軽く雑談をして、和やかな雰囲気作りを意識しましょう。
- 可能であれば、リアルタイムで議事録を確認しながら質問を進められると良いと思います。スムーズな流れで会話することができます。
インタビュー後
- インタビュー後のお礼の連絡も忘れずに行いましょう。謝礼を後日お渡しする場合には、目安の時期をお伝えしておくと、ユーザーも安心ですね。
振り返り
今回のインタビューでは、普段サービスを利用しているユーザーさんに話を聞けて、どんなユーザーへサービスを提供しているのかより具体的なイメージができるようになり、開発のモチベーションが上がりました。
またユーザーさんから想定していなかった要望を聞くことができたなど、有意義な情報収集ができたと思います。
逆に、インタビューでうまく話を深掘りできなかった部分があった、話を聞いたユーザーさんがインタビューターゲットにしていたユーザー層と少し違った、などのインタビューの内容に対して課題も見つかりました。こちらは今後のユーザーインタビューに生かしていきたいと思います。
まとめ
最後にUX改善チームでは、ノウハウとして紹介したユーザーインタビューのフローとTODOを管理できるようスプレッドシートを作成し、記事中(例)と上げていた部分のサンプルを用意してパッケージ化しました。
サンプルも多く用意することで、細かい部分の不安を取り除くことができ、インタビューの質の向上に当てられる時間が増えました。
これからもこのテンプレートを活用して、ユーザーインタビューを定期的に取り組む活動を推進していきたいと思います。
読んでいただきありがとうございました!