「伝える」から「届く」へ。構成と装飾でつくる“心が動く”クリエイティブの考え方

 2025.06.16

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はじめに


こんにちは。サービスデザイン部の片山です!

弊社のサービスデザイン部では、毎年12月に「Design Palette」、通称「デザパレ」という 1年間のデザイナーの成果や学びを共有し合う会を開催しています。
2024年12月に行われたデザパレで、私は「私がクリエイティブを作る時に考えていること」というテーマで発表をさせていただきました。その際には、

  • 構成時に考えていること

  • 装飾時に考えていること

という2つの視点から、普段どんなことを意識しているのかを5分間でお話ししました。
時間の関係もあり、かなり駆け足での説明となりましたが、今回改めてブログという形で、より具体的に、ゆとりをもってまとめます。
AI時代においても、しばらくは有益な思考法になると考えています。

私にとってクリエイティブは、単に情報を伝えるだけの手段ではなく、サービスの世界観やブランドイメージを形にし、ユーザーにちょっとしたワクワクや期待感を届けるための大切な要素です。
目にした人の気持ちが少し動いたり、思わず手を止めたりするような“きっかけ”を生み出せるように、意識して作成しています。

この記事が、デザインやビジュアル制作に関わる方はもちろん、そうでない方にも「こういうことを考えて作っているんだな」と、少しでも感じていただけたらうれしいです。

以下は制作したものの一部です。

構成を考えるに意識していること


クリエイティブ(この記事では「デザイン制作物」を指します)を作る時、私がまず考えるのは「誰に何を伝えたいのか?」です。
バナーでもLPでも、どんなにきれいなデザインであっても、伝えたいことが整理されているかどうかで、見た人の受け取り方や理解のしやすさは大きく変わってくると感じています。

情報の洗い出しと優先順位づけ

構成を考える時の一番最初のステップは、このクリエイティブに何を載せるかを洗い出すことです。
その上で、それぞれの情報の重要度を見極めて、優先順位をつけていきます。

今回は、担当サービスのゲームプラットフォーム「ゲソてん」で以前開催した、「ハロウィンバトルフェス」という2チーム対抗のゲームイベントのキャンペーンLPを作成した時のアイキャッチを例として解説していきます。

まず、このキャンペーンのアイキャッチに入れる情報を以下のように整理しました。

この時はイベント名やバトル感が伝わるビジュアルがもっとも重要で、それ以外の情報(個人賞の詳細、具体的なチーム名、開催期間など)は削るか、別の導線に任せる判断をしました。

この優先順位にした背景には、イベントの目的や性質があります。
ハロウィンという季節性のあるテーマを活かして、“期間限定の特別感”を最初に印象づけたいと考えました。
次点で、サービス内で新しいキャンペーンの形だったチーム対抗戦という、盛り上がりやワクワク感を伝えることとしました。

本来、報酬などの数字は訴求力が強く、目立たせたくなる要素でもありますが、このキャンペーンでは、他の施策と比べて特別に報酬が豪華というわけではなく、それよりも協力型イベントとしての楽しさやユーザー間のコミュニケーションが促進されることの方が重要だと考えました。

また、開催期間についてもLP内の目立つ部分に記載があったため、わざわざアイキャッチ内に含める必要はないと判断しました。
すべての情報を詰め込まず、目的に沿って情報の取捨選択をすることで、主役を引き立てることができます。

優先順位に沿ったレイアウト設計

決まった優先順位に沿ってレイアウトを決めていきます。
視覚的なメリハリをつけるために、ジャンプ率(要素ごとのサイズ差)を意識して、重要な情報に自然と目が行くように設計します。

私は3:3のグリッドを意識しながら配置することが多く、特に目立たせたいメインの要素は中央のブロックに大部分が入るようにしています。
こうすることで、視線の導線が整い、後の装飾で印象づけをしやすくなると感じています。
例外もありますが、装飾の配置に迷った時などもこのガイドが助けになるため、クリエイティブ制作に慣れていない人にもおすすめです。

毎回十分な制作時間が確保できるとは限らないため、レイアウトはある程度パターン化し、使い回すこともよくあります。
限られた時間の中では、どんな情報があり、それをどう伝えるかにエネルギーを使う方が、効率的だと思います。

すべて文字で説明しなくてもいい

また、伝えたいことすべてを言葉で説明する必要はないと考えています。
例えば、チーム対抗で戦うことやハロウィンらしさなどは、文字で丁寧に説明するよりも、色づかいやイラスト、写真といったビジュアル要素で直感的に伝えた方が、早く・強く印象づけられることもあります。

画面を2分割することでチーム対抗戦を表現↓

この情報は文字で伝える、これは装飾で補う、といったように役割を分けて設計することで、情報量を詰め込みすぎることなく、伝えたい雰囲気やメッセージをしっかり届けられます。

装飾をする時に意識していること


伝えたい情報の軸(構成)が定まったら、次に装飾のフェーズへ進みます。
私にとって装飾は、どう見せるかを調整するというよりも、どんな風に感じて欲しいかを形にする工程です。

今回は特に、「ハロウィンバトルフェス」のように季節や行事をモチーフにした特別感のある、“賑やかし系”のクリエイティブについてお話しします。
もちろん、クリエイティブにも色々な種類がありますが、こういったキャンペーンやイベント施策などで目を引かせたい場面に向けた装飾の考え方です。

モチーフをどう膨らませていくか?

季節ものを作る時は、まずそのモチーフから連想できるものをとにかく出していきます。
たとえば「ハロウィン」なら、「仮装」「おばけ」「夜」「お菓子」「かぼちゃ」など、マジカルバナナのように思いついたワードをどんどん広げていくイメージです。

実際の制作時には、今回のようにしっかりマインドマップを作ることは少なくて、頭の中でざっくり連想を広げていくことが多いです。
また、出したワードすべてを使うわけではなく、「これは広げなくていいな」と感じるキーワードは早めに見切り、注力するポイントが定まったら、そこを集中して掘り下げていきます。

検索したり、外からヒントを得てくるのも全然アリだと思います。
自分の中にない発想を取り込むことで、パターンに頼らず新鮮な切り口を見つけられることもあります。

いろいろ試して、印象に「芯」を通す

連想して出したワードの中から、これを使おう!と最初に一つに絞り込むのではなく、実際に試しながらデザインに落とし込んでいきます。
「これだと寂しいな」「もう少し明るい印象が欲しいな」と感じた時に、足りない要素を加えていくという流れです。

今回のバナーでは、最初に作った段階では少し物足りなさを感じた部分に、マインドマップで出していたキーワードを使って情報量を追加したり、印象を補強したりしています。

使用したワード↓

出来上がったクリエイティブとワードの適用箇所↓

装飾は、同じテキストでも「楽しそう」「にぎやか」「イベントっぽい」などの印象の芯を通すための大事な要素です。
特に、フォント・色・余白・イラストなどの細かい選択によって、ユーザーが受け取る空気感は大きく変わります。

もちろん、毎回装飾にじっくり時間をかけられるわけではないので、自分の中で「こうすればある程度印象が決まる」という型やパターンをいくつか持っています。
ただ、どんな場合でも意識しているのは、そのクリエイティブを通して“ユーザーにどんな気持ちを届けたいか”という軸です。

構成がしっかり整理されていれば、装飾は必要最小限でも“伝わる”ものになるし、そこに少しの工夫を加えるだけで、より強い印象を与えることができます。
目にした人の気持ちが動いたり、思わず手を止めたりするような“きっかけ”を生み出すために、私は構成と装飾のバランスを大切にしています。

おわりに


今回は例を交えながら、私がクリエイティブを作る際に意識していることをまとめました。

構成や装飾の話を中心に説明しましたが、結局大切なのは「このクリエイティブで誰に何を届けたいのか」を自分の中でちゃんと整理することだと思います。
それが定まっていれば、多少要素を削ったり足したりしても、軸がブレずに伝えたいことは伝わる。逆に、どれだけ丁寧に作っても、その軸があいまいだと見る人にも届きにくくなってしまいます。

私自身まだまだ模索中ですが、今後も色々なクリエイティブを通じて“伝わる”を磨いていけたらと思っています。
この記事が、少しでも誰かの参考やヒントになればうれしいです!

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