わずか3ヵ月で完了!?新卒デザイナーに学ぶサービスロゴ変更フロー!
こんにちは!デザイナーのツネカワです!
今回のブログテーマは「プリ小説」が2019年4月に行ったロゴ変更についてです!
「プリ小説」の担当に抜擢されたのは、当時入社2年目だったデザイナーの堀内さんでした。
様々な問題に直面しつつも、立ち上げから1年半で月間6,500万PVを達成するサービスとなった「プリ小説」の成長に貢献してきました。
そんな堀内さんが入社3年を迎えるタイミングで、初めてロゴ作成に挑戦!
初めてのロゴ作成プロセス、そこにどのような苦労があったのかを紹介したいと思います!
プリ小説とは?
2017年10月に、プリキャンユーザーに向けてスタートした「会話形式」が特徴の小説投稿サービスです。
読み手が自分の好きな名前を設定することで作中に登場できる「夢機能」や、LINEなどのチャットツール利用が多い中高生にとって慣れ親しんだ会話形式を実現する「吹き出し機能」などを使って、楽しく執筆・閲覧をすることができます。
プリ小説はこちら
ロゴ変更は現場デザイナーの要望がきっかけ
Q:まずはじめに、ロゴを変更しようと思ったきっかけを教えてください。
堀内:
そもそもはじめのロゴは自分が作ったのもではなく、もう退職したデザイナーが作成したものだったんですよ。
そのロゴが繊細なデザインだったのですが、サービスを運営して行く中でちょっとずつサービスイメージと乖離してきたなと感じていました。
アプリの開発が決まった時、「サービスがグロースして行く中で、今ならロゴの変更を考えるチャンスかもしれない」と思いました。
そこでチームメンバーを説得して、ロゴの変更に乗り出したんです。
プリ小説の旧ロゴデザイン
Q:そうだったんですね。てっきりチーム全員の総意で変更したんだと思ってました。他のメンバーの方は「ロゴを変更したい!」と言った時どのような反応でしたか?
堀内:
メインのエンジニアやサポートしてくれているデザイナーは基本的に賛成してくれましたが、ディレクターは首を傾げていました。
実際、ロゴ変更はKPIやKGIに直結しづらいことはわかっていましたし、「他にやるべき優先度の高いタスクがあるのでは?」と言われましたね。
でもこのタイミングを逃したらロゴ変更が難しいものになる予感がしていたので、熱意を持って説得し、最終的には納得してもらいました。
ロゴ作成のスケジュールについて
Q:確かにロゴを変更したからといって数値への直接的な影響は大きくなさそうですし、「ロゴ変更にかかりっきりになってグロースハックができない」では、本末転倒ですよね。ロゴ作成中は他のタスクはどうしていたんですか?
堀内:
ロゴ作成作業は通常タスクの合間にやっていました。マイルストーンをおいたざっくりしたスケジュールを切って、それに間に合わせるように作業を進める形ですね。
ロゴの変更は四半期目標(※1)の項目としていました。期間内にリリースまで行わないといけないので、ロゴ作成自体は四半期(3ヶ月)ではなくて2ヶ月で完成させるスケジュールでした。
この四半期はかなり忙しく作業していましたね。
※1:弊社では四半期ごとに目標を設定して取り組みます。
Q:結構短い期間での作業だったんですね。その期間の中でもロゴ作成にあてられる時間は少なかったようですが、作業は滞りなく進んだんでしょうか?
堀内:
初めてのロゴ作成ということもあって作業は難航しました。
参考にしようと他社のロゴ作成系の記事を見たのですが、かける人員も時間も予算も桁違いで自分たちのチームに取り入れるのは難しかったです。
それで手探りの作業になったので、ロゴ作成はかなり泥臭い感じの作業で進みましたね。
ロゴのコンセプトメイク
Q:実際の作業では、まずどこから着手しましたか?
堀内:
まず初めに行ったのは、新しいロゴのコンセプトメイクでした。
サービスの現状を把握するためにマインドマップを作成し、「プリ小説」が進むべき方向性を確認した上で新しいロゴのテーマを作成しました。
コンセプトメイクの際に作成したマインドマップ
ロゴのテーマが決まったあとはアイディア出しですね。
「プリ小説」チームのメンバーで、テーマを元にアイコンのモチーフアイディアをできるだけたくさん出していきました。
モチーフアイディア出しの風景
Q:その中に今のロゴの原案があったんですね!
堀内:
いえ、1回のアイディア出しでは全然しっくり来なくて、チーム外のデザイナーを集めてもう一度アイディア出しをしました。
ちょうどサービスデザイン部が発足されたタイミングで、同じ部署なんだし時間作ってもらってもいいかなって。
アイディアの一部を抜粋
そうやって出た大量のアイディアを精査していきました。「これは使えるな」とか「これは流石にないなぁ」という具合に。
精査の後、残ったアイディアをIllustratorを使ってベクターに変換していきました。
できたアイコンはfigmaを使って共有し、チームメンバーからの意見をコメント機能で貰いました。
figmaを利用してチームに共有
Q:たくさんの原案があったわけですね。いろんなパターンのロゴアイコンがあるように見えますが、最終的なロゴアイコンはどうやって決まったんですか?
堀内:
アイディアの段階ではペンやインクなどたくさんのモチーフ案がありました。
しかし、コンセプトメイクの段階では中高生向けに「可愛らしさ」や「親しみやすさ」、サービスの特性として「夢」や「妄想」というキーワードが出ていたこともあり、
わりと初期段階から新しいモチーフは「羊」にしようって決めてたんです。
だから、チーム内外から「こういうアイディアもいいんじゃない?」とアイディアをいただいて清書していてもしっくり来なくて、「やっぱり羊がいいなぁ」って思いが捨てきれなかったです。
そんな時に、若手のデザイナー何人かで雑談をしていたんです。話題がなんとなくロゴ作成のことになり、羊のモチーフで作りたいと相談したところ同僚が、「こんなのどうだろう?」とメモ帳にロゴアイディアを描き始めました。
同僚デザイナーと考えた羊モチーフのアイディア
その中に「これ可愛いな」というのがあって、だんだん自分の中でアイコンのイメージが膨らんできました。もっとこういうのはどうだろうと話が盛り上がり、その場でIllustratorでベクター化もしちゃいました。
羊モチーフのアイディアをIllustratorでベクター化
それをそのままチームにも共有したんですが、「これだとロゴとして細かすぎる!」と言われました。確かにその通りだったんですけどね。
羊を使ったロゴ
そこで、そのアイコンをギリギリまで抽象化していく作業を行いました。
羊をどれだけ単純化できるのか、という作業です。
その作業の中で、隣の席のエンジニアが「この羊が吹き出しみたいになってたら、プリ小説っぽさが出るかもね」って呟いたので、そのアイディアも取り入れました。
羊と吹き出しを組み合わせるアイディア
最終段階では先輩デザイナーにもレビューをもらいながら、カラーの検討や微調整を行っていきました。
最終調整中のロゴアイコン
そうして、やっとロゴアイコンの完成です。
ロゴタイプに関しては、基本にするフォントを選定したのちに微調整を行いました。
ロゴタイプ作成が得意なデザイナーの上司がいて、積極的にレビューをしてもらいながらの作業だったので1週間くらいで完成しました。
完成した新しいプリ小説のロゴ
その後は、アプリストアの画像用意やサイト内で使用されているロゴの差し替え作業、ロゴ変更のお知らせ掲載やSNSでの周知活動などを行いました。
この作業が結構大変で、2週間以上かかった気がします。
アプリストア用の画像
Q:完成までのお話ありがとうございました。はじめてのロゴ作成ということだったんですが、苦労した点などあれば教えてください。
堀内:
他にもやらなければいけないタスクがある中で、どうしてもロゴ変更を行いたいとディレクターを説得して始めたプロジェクトだったので、プレッシャーがすごかったです。
十分に時間も取れない中で、手探りでの作業になっていて「はたしてこのやり方であっているのだろうか?」「納得ができるものができなかったらどうしよう」といった不安との戦いでしたね。
Q:逆に良かった点や学びなどはありましたか?
堀内:
ロゴ変更についてSNSなどでユーザーにお知らせしたんですが、新しいロゴに対して「かわいい」や「素敵!」というコメントをいただきました。
多くの反響という訳ではなかったのですが、実際にサービスを使ってくれているユーザーの生の声はとても嬉しく、頑張って良かったなと心の底から感じることができました。
また、もともとIllustratorでの作業はあまりしたことがなく、パスの扱いにとても苦労したのですが、数をこなすごとに上達を実感できましたね。
単純に自分のスキルが上がったことは学びと言っていいのかなと思います!
Q:反響があるのは単純に嬉しいですね。最後にロゴ変更の作業を通しての感想を教えてください!
堀内:
もともと人数の多くないチームの中でも、さらに少人数での作業でした。
言い出しっぺということもあって気合いを入れて作業をしていたのですが、1人の力の限界をすぐに感じました。
そのタイミングで、すぐに同僚のデザイナーに手伝ってもらえたのはとても助かりました。
それに今回はKPI・KGIに直結しづらいという前提があったこともあって、デザイナー同士で単純に「デザインすること」を楽しめたと感じています。
作業中はとても辛かったはずなのですが、今となっては楽しかった記憶の方が大きいです!
今回の作業を通してロゴ作成のフローを体験することができ、自信にもつながりました。また機会があれば、ぜひチャレンジしたいです!
最後に
今回は、サービスの中軸メンバーとして活躍している若手デザイナーにスポットを当てた内容でした。
はじめてのロゴ作成を自分から進んで提案し、完成まで走りきる姿をチームの外から見ていた私としては、その作業を詳しく解剖する中で技術的な学びや知見を共有することができるはずだと思い、ぜひ今回のテーマでインタビューしたいと考えていました。
結果としては様々な技術的な学びや知見だけでなく、「自分の担当するサービスへの愛」や「周りを巻き込んでより良いアウトプットを行う」と言った熱いマインドを感じることができました。
立場の近いデザイナーがこういった活躍をしていると「自分も頑張らなくては!」と心の底から感じます。
皆さんにとってもこの記事が「いい刺激」になれば幸いです。
長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。