デザイナーの部署の立ち上げと活動まとめ

2021年2月4日

2019年がもうすぐ終わります!はやかったー!ほんとはえぇな!!(カミナリのたくみくん風に)
ぺこぱなら時を戻してますね。(M-1観た人)
さて、GMOメディアには「サービスデザイン部」というデザイナーの部署があります。(急に本題)
このデザイナーの部署は2018年の4月に立ち上がりました。
この記事では立ち上げ後からの「1年と9ヶ月の活動」をまとめました。
これからデザイナーの部署を立ち上げようと模索している方や、デザイナーの部署としての活動でモヤモヤしてる方、そんな方に何か良いヒントがあれば本当にアイムハッピーです。
※内容はやや堅めですので合間に猫の画像を入れてバランスを取ります。(解決!)

4シーズン+まとめ、計5セクションで構成しました。(約5分で読める量です)
1.立ち上げ期(1〜3ヶ月目)
周りへの気遣いと部署内コミュニケーションからスタート!

2.チャレンジ模索期(4〜9ヶ月目)
まずはここから初めましたよ!

3.チャレンジ期(10ヶ月目〜1年9ヶ月目)
こんなアウトプットたちと成長がありました!

4.チャレンジこれから(1年10ヶ月目〜)
2020年の目標がこれです!

まとめ
事業は最優先!信念が大事!

ファースト猫襲来

 
 

1. 立ち上げ期(1〜3ヶ月目)

2018年の4月1日に「サービスデザイン部」という部署ができました。
立ち上げまでの話はこちらです。(やってみてわかりましたが、立ち上げ前と後では全然違う苦労があるんですね…)
/2018/10/01/start-design-department/
ここのセクションでは「設定したゴール」と「立ち上げ期に気をつけたこと」に触れます。

ということで、部署立ち上げ前に設定した下記の「目指すゴール」があります。(びびって小声で言い続けてきました)

2年後の2020年にデザイン思考の社内浸透

2020年にしたのは、2年という期間が達成したい(できそうな)目標サイズにちょうど良かったことと、オリンピックイヤーでなんとなくゴールとして象徴的だったからです。(モチベーションの持続大事)

で、肝心なこのゴールを目指した理由ですが、
①サービス利用者の体験を高める為には「そのノウハウや考え方」を理解し、アウトプットに反映していくことが必要である。
②その為にはまず、我々デザイナーに始まり、経営層、部室長、PO、ディレクター、エンジニア、カスタマーサポート…
全体が「そのノウハウや考え方」の価値を理解すること、「より正しい選択とは何か」を考えることができるようになること、
これが重要な基盤になると考えた為です。

当初の環境を省みると、なかなかチャレンジングなゴール設定ではありましたが(だから小声だったのよぉ)ゴールを見据えて一つ一つ課題をクリアして進んでいくうちに、到達する兆しが見えてきています。(喜ばしいことです…)

立ち上げ期に気をつけたこと

もとは各事業部内にデザイナーが属するといういわゆる縦型組織でした。
改編でデザイナーだけの部署としてまとまって、そこから事業部へ入っていくという横型組織へ変わりました。
そのため、「事業へのコミットメントが薄れる」または「薄れたと思われる」という状態に陥らないようにすることにまず気をつけました。
デザイナーはもちろんのこと、デザイナー以外にとっても仕事のやりやすさに関わることですので、査定する視点は持って当然です。
第一印象の評価に対する気遣い大事です。

部署の4つの行動指針の一つにも、以下の文を入れてQ毎の定例MTGで確認しています。
指摘や提案をするに留まらず、当事者意識を持ち、プロジェクトの成功のために全力を尽くします。

ですが、デザイナーは優しさで出来ている人間が多く、強調した意識付けをしなくても、現在も継続してできている印象です。(イイネ君たち)
また、長い目で見ると他部署の協力なしにゴールへの到達はありえないので、立ち上げ期は徐々に速度を上げていきましょう、という認識合わせからスタートしました。(逆にもっとチャレンジあっていいのでは?という声も一部ありました。どっちやねん!)

部署内のコミュニケーションについて

部署化してより大きな活動をする為にも、全体の意識が自然と(無理なく自然とが大事)底上げされる為にも、コミュニケーションがより重要になってきます。
今でも色々考えることは多いです。(人は適切な課題だけ設定すれば勝手に成長するという考え方もありますが)
まずはSlackがメインなので、目的ごとのチャンネルをうまく利用することを意識しています。初期は投稿を促す活動(問題提起的なこと)をしていました。

また、定量的に変化を見たかったので、3ヶ月単位で部署内アンケートとり、改善対象を検討しました。
アンケートの項目は下記5つで、回答は5段階です。

  • Q1. 部設立以前と比較して、デザイナー間のコミュニケーションの量について
  • Q2. 部設立以前と比較して、他サービスのデザイナーがどのような仕事をしているかの理解について
  • Q3. 部設立以前と比較して、デザイナー間の情報/ノウハウ共有の量について
  • Q4. 部設立以前と比較して、今後GMOメディアのデザイナーとして、納得感のある評価がされるかどうかについて
  • Q5. 上記質問に対する補足コメントや、サービスデザイン部を今後こうしていきたい!という希望やアイデアをなんでもいいから好きなだけ書いてください!

当然ですが、立ち上げ期は迷いが多いです。
しかし「これでいいのか?」と及び腰になるよりも「まずはこれで行ってみよう!」が大事かなと今でも思います。(もちろん仮説ありきで)

ここで一旦癒し

 
 

2.チャレンジ模索期(4〜9ヶ月目)

空気を読み静かに立ち上げつつも、部署として掲げたゴールに到達する為に、具体的にどのようなアクションを起こして進行していくかは重要です。

今になって思うことですが、着実に前に進むこと、ちょっとずつだとしても歩みを止めないことが割と大事だったなと思います。外部要因で立ち止まってしまうことはよくある話ですが、そこから再び歩き出すには中々のエネルギーを要します。(忙しくて後回しになるとかあるよね)

通常の事業へのコミットメントと平行して、まずは若手を中心にグループミッションという形で活動をはじめました。(コミュニケーションの活性化も狙いです)
グループミッション「(通称)ぐるみ」についてはこちらです。
/2018/10/05/start-cross-divisional-design-activity/

まずは課題に感じていることからの「やりたい!」をベースにプロジェクトを3つ出しました。
結果この3グループでの開始となりました。

  • フロントエンド強化グループ
  • スキルアップグループ
  • 情報発信、デザイン思考啓蒙グループ

文字通り模索していた時期で、事業と平行して最大20%のリソースでアウトプットできる量と質、適切な難易度設定など、活動のプロセスも含めて観察するところから始まりました。
チャレンジ模索期のアウトプットとしては次の様なものがありました。

  • フロントエンド勉強会の開催(はてぶ20usersついたよ)
  • ムードボードの作成(複数のリブランディング系の記事から手法を学びました)
  • Figmaの調査(日本語のエントリーがすごく少なかった時期です)
  • モブデザインの実施(Figmaを利用して行いました 振り返りで学びを整理しました)
  • 外部勉強会の記事化(新卒向けにインプットとアウトプットの練習に良いです)
  • デザイン思考ガイドラインの作成(下記の参考文献を元にTrelloに整理しました)
    • デザイン思考が世界を変える
    • 21世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由
    • 問題解決に効く「行為のデザイン」思考法
    • エンジニアのためのデザイン思考入門
      …など


 
 

3.チャレンジ期(10ヶ月目〜1年9ヶ月目)

模索を通じて出た結論は「結構やれそう」という感覚。

また、部署の責任者としては平行して、社外の方のお話や記事を参考に吸収しつつ、次のようなことを深掘りし、アウトプットしました。
①部署として目指すべき重点項目
②その達成に必要な行動&結果を記載したロードマップ

その内のいくつかを次のグループミッションで目指すミッションとして設定しました。
部署の立ち上げから2年目に突入する4月からの活動は、次の3グループに再編し新たにスタートしました。

  • 技術推進グループ(全体のスキルアップと育成へ)
  • UXリサーチグループ(サービスへのコミットへ)
  • ブランディンググループ(デザイナーとして、GMOメディアとしてのプレゼンスへ)

ここからのアウトプットの質と、活動を通じた個々の成長は中々のものです!
チャレンジ期のアウトプットとしては次の様なものがありました。

  • 各種勉強会開催2019年1-3月に12回(デザイナー以外にも告知 平均11名/回の参加者でした)
  • CJMの作成と事業への活用ノウハウのまとめ(概要から活用方法までを4記事にまとめました)
  • 2つのサービスでカスタマージャーニーマップの作成(ペルソナも含めたアップデートも行いました サービスに関わるチームに共有会も開催しました)
  • UIデザインツールの分析と比較、シーン別の選択のススメ(Adobe XD、Figma、InVision Studioを深掘りしました)
  • ブログ投稿の推進、記事テーマ別分析、作成時のノウハウまとめ(次に繋がるノウハウになるように意識して進めました)
  • デザイン部活動のプレゼンス周知、アンケート実施(ブログの周知としてSlackの投稿方法を検討したり、デスクに置ける印刷物を作成しました)
  • インタラクションデザインの調査と勉強会の開催(概念からライブラリを使った実践まで紹介しました)
  • UIデザインツールの勉強会(Figmaの実務における最適な利用方法を紹介しました)
  • コーポレートサイトのリニューアル(調査からムードボード作成を経てリリースまで行いました)
  • サービスのリブランディング設計(ペルソナの深掘りをし、サービスに関わるチームがいつでも確認できるようにポスターを掲示しました)
  • デザイナー成果発表会の開催(社内掲示物やSlackでの告知、発表物の質まで管理しました)
    …などなど、一つ一つのボリュームがすごいです。

どれもアウトプットの質も、そのための試行錯誤から得た学びも、素晴らしいです。
そして1年を超える活動の後半は、ペルソナやカスタマージャーニーマップの新規作成または再設計など、事業と連動するものが増えて来ました。
そこから出てきた課題を事業部のアクションプランに落として進めることも出てきました。


 
 

4.チャレンジこれから(1年10ヶ月目〜)

これからはのフェーズは、サービスデザイン部設立前の提案資料に記載した、この言葉の実践になります。

デザイナーがより成長し、それをビジネスに還元するために組織変更を行いたい。

「事業での結果」そもそもこれなくして、我々の行動の価値が周囲から承認されることはないです。
引き続き「結果への焦り」「やれるはずという自己効力感」「息苦しい思考錯誤」「成長の喜び」にまみれて奮闘することになります。

そもそもなんでチャレンジが必要か?

事業へのコミットで十分大変なのに、なぜまたわざわざという話です。
または、その時間はもっと事業へのコミットに充てた方がいい、そんな話もあります。
事業が長く成長していく為には、次の2本の(高い水準の)生産ラインが常に稼働している状態が健全であると考えます。

  • 短期の収益を着実に上げていくことと
  • 長期のユーザー体験を上げていくこと

短期の部分、またはゼロイチの必要なものを用意するフェーズ、ここはなによりも優先的に最速で対応していくべきものですが、それだけの活動では後半の長期のノウハウは(効率的には)蓄積されないということがこの活動以前の経験でわかりました。(わかっていました…)

各事業に長期のノウハウとして溜まっていく「考え方」の浸透。
これによりサービスの利用者とのコミュニケーションにおいて「より正しい選択」が可能になり、結果として利用者が増えていくということに繋がるはずです。

今やる必要があるのか?

え?じゃあ逆にふさわしいタイミングって来るの?とも思うし、常に何かしらの新しい学びとチャレンジはやっているべきなので、それがあることはとてもポジティブなことと捉えています。
また、この活動に対しての個人的なモチベーションを述べるなら、
「チャレンジどんどんやりたいぜ〜!」というよりも
「夏休みが終わる〜!夏休みの溜まった宿題を今やらなければもう間に合わない〜!」
つまり「もう追い詰められてっから、やらなきゃしょうがないっす!(唾飛ばしながら)」
といった「焦り」が原動力の多くを占めています。(同時に追い詰められてることに気づけて良かったというポジティブ思考)


 
 

まとめ

長々と語ってきましたが、勘違いがあるとあると良くないので最後に追伸的に書きます。
ここでは「最大20%のリソース内のチャレンジ」にフォーカスして書いてるのでチャレンジが強調されてるように感じますが、事業のアクションプランは基本的に最優先です。
そして高尚なアウトプットを推奨して、細かく面倒な作業を否定してるわけでもないです。
必要なだけ深掘りした結果、アウトプットが高尚に見えるということはあるかもしれませんが。(そうだといいなぁ…)

また、結果を出すまで、周囲から理解を得るのは容易ではないです。
少なからず業務時間を使った活動がある以上、その結果が求められます。(実際は多くの時間が業務時間外かもしれませんが)
常に相手の立場に立って謙虚に「○○な理由で最後はビジネスに還元されますから」と、なるべく全デザイナーが自分の言葉で説明できる必要があります。(時には時間稼ぎに誤魔化す必要があります)

あなたの家族 ー あなた ー 関わるチーム ー 事業とサービス ー サービスの利用者 ー 会社 ー マーケット ー 社会
全て連動していて、自分の行動と繋がっていて、共に成長していく実感が持てること、
そして、真面目に筋トレして筋肉がつかないわけがない、と同じように、真剣に高い意識で深い試行錯誤を繰り返せば、そこから学びがないわけがないし、その学びと成長は、より高いビジネスの成長に還元されるはずだ!

そうゆう信念も大事かもしれませんね。

良いお年を。

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